当社は、経営理念に「市民生活の向上と地域社会の発展への貢献」を掲げ、事業活動を行ってまいりました。長い歴史の中では、災害や感染症など、様々な困難に直面しましたが、その時代ごとに創意工夫と果敢な挑戦をもって乗り越えてきました。現在、不確実性がさらに高まる環境の中で、当社はいっそうスピードを上げ、さらなる変革への挑戦を進めてまいります。

　2025年度からスタートした中期経営計画では、「新たな価値創造事業会社への変革」をテーマに掲げています。

まずは、「百価店事業」への進化に取り組みます。あべのハルカス近鉄本店は、周辺商業施設と連携し、エリア全体の魅力向上に向けリモデルを実施します。地域店はさらなる運営効率化を追求し、それぞれの地域に根差した日常のあらゆる価値を提供し続ける存在となることを目指します。次に、全社顧客戦略の推進です。外商、ハウスカードなど組織別に分類された顧客を階層別に再編し、接遇や商品など各階層に最適な対応を目指します。最後に、新たな事業の育成にも積極的に挑戦し、既存店舗外でのビジネスチャンスを追求していきます。

　全ての戦略の基盤となるのは、DXと人的資本経営の推進です。DXについては、経営層がリーダーシップをとり、顧客戦略、店舗運営効率化、ワークスタイル変革と、全ての事業と実務領域において取り組んでまいります。人的資本経営については、自律した「百価店人」を創出すべく、人材確保と育成、労働環境整備など、全方位で積極的に推進します。

　さらに、当社は事業活動を通じて環境問題への対応や地域課題の解決など、サステナビリティの取り組みも進めてまいります。特に、これまで培ってきたお客様、お取引先様、自治体などの皆様との信頼関係や絆を強みに、地域活性化の取り組みをさらに深化させ、各地域の多彩で豊かな文化を次世代へと継承していきたいと思います。

　最後に、株主の皆様に対しても適正な株主還元の安定的実施によりしっかりとお応えしていきたいと考えており、企業価値の持続的な向上に取り組んでまいります。

　今後も、地域に新たな価値を創造する「価値創造事業会社」への変革を目指して取り組んでまいりますので、一層のご支援・ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。